毛髪再生のタネを大量培養の再生医療技術!2020年の実用化へ!?

今回の研究は2500万人中1800万人の『男性型脱毛症』を対象にしている・・・どうもこのニュースは男性型脱毛症を対象にしているような感じの報道ですね。

いずれにしても毛髪の「もと」を大量培養する技術の開発はすごいニュースです。

将来は「ハゲ」「薄毛」なんて言葉が死語になるかもしれません。

「脱毛症」などの治療に応用するため髪の毛を作り出す「毛包」という器官を人工的に大量に作る技術を理化学研究所などの研究グループが開発し、来月から動物で安全性を確かめる試験を始めることになりました。

薄毛などの脱毛症に悩む人は全国に2500万人以上いると推計されていますが、男性ホルモンをコントロールする薬の投与など治療法は限られていて、理化学研究所などでは毛髪を作り出す「毛包」と呼ばれる器官を再生医療の技術で作り、移植する治療法の開発に取り組んでいます。

2018年6月4日は理化学研究所やベンチャー企業の研究グループが会見を開き、ヒトの頭皮にある3種類の細胞を取り出して増やし、さらに専用の特殊な機械で3種類の細胞を一緒に培養することで、「毛包」を大量に作り出す技術の開発に成功したと発表しました。

グループによりますと、20日間ほどで髪の毛1万本に相当するおよそ5000の「毛包」を作り出せるとしています。

グループでは、来月から動物に移植して安全性を確かめる試験を始め、早ければ再来年にも実用化したいとしています。

理化学研究所の辻孝チームリーダーは「これまでにない方法を実現し、患者さんたちの生活の質の改善に貢献したい」と話しています。

研究グループが将来的にまず治療の対象としたいとしているのは脱毛症のうち、「男性型脱毛症」と呼ばれる病気です。

この脱毛症は思春期以降に始まって生え際や頭頂部の毛が次第に細く、短くなって薄毛となるのが特徴です。

脱毛症全体では全国に2500万人以上いますが、そのうち「男性型脱毛症」の患者はおよそ1800万人いるとされ、主に20代後半から30代にかけて症状が進みます。

これまでは原因となる男性ホルモンをコントロールする内服薬のほか、塗り薬などが治療の中心となっています。

また脱毛症や薄毛治療への社会的なニーズは高く、薬以外にもかつらや植毛、それに育毛剤の開発など、その市場規模は2000億円に上るというデータもあります。

日本皮膚科学会のガイドラインで自毛植毛は推奨されているが、他の治療効果がなかった場合にのみという限定付き(人工毛の植毛は推奨されていない)

自毛植毛は全体の毛量が増えるわけではないし、後頭部に幅1センチ長さ10センチにわたって毛包のない(毛の生えてこない)部分ができてしまう。

その点、今回の原基移植なら、培養で毛包のタネを大量に作れるので、採取する頭皮は1センチメートル角と、自毛植毛の10分の1程度で済む。

とはいえ、毛包器官原基を人工的に生成する工程はなかなか複雑だ。

毛髪を形成する2つの幹細胞と、髪の色を決定するメラニン色素を作る幹細胞を別々に培養し、辻チームリーダーが開発した「器官原基法」を使って、ナイロン糸を軸に培養細胞群を組み立てる。

これを頭皮に移植(植毛)すると、ナイロン糸は毛包の成長に従って脱落し、ナイロン糸によって形成された新たな毛穴から新しい毛が生えてくる。

器官原基が成熟し周囲の組織と連携して再生毛包として定着するのに2~4か月。

その後、6か月ほどで他の毛髪と遜色ないしっかりした太さに育つ。

移植そのものは既存の植毛技術ででき、特殊な技術は必要ない。

移植した毛は元の毛の性質を維持する。

つまり、後頭部から採った柔らかい毛が頭頂部に生えてくることになる。

毛周期も踏襲するため、移植前に頭頂部で起こっていた毛周期サイクルの変化の影響を受けない。

写真のマウスは、もともと体毛がないヌードマウスで毛穴もないが、背中にヒゲの再生毛包原基を移植したところ20日ほどでヒゲが生えている。

毛髪ならではの問題もある。

髪の毛だけに移植する数がケタ違いに多いのだ。

やけど用の皮膚シートは40枚、ひざ軟骨治療用片は数個と、これまでの再生医療で使われる細胞製品の数はそれほど多くない。

ところが、毛髪再生では、移植が頭頂部すべてとすると、少なくとも毛髪5000本は必要。

原基に換算すると2500個以上が必要になる。

この問題を解決したのが、京セラと2016年から共同開発してきた自動培養・原基製造装置だ。

人手にたよる部分を最低限に押さえ、工程を機械化することによって大量培養と安定した品質を確保でき、再生医療製品として規格化が可能になった。

これが臨床研究に向けて一歩を踏み出す大きな力になった。

再生医療の臨床試験で最初の課題となるのは免疫反応だが、この場合、自己細胞なので心配は不要。

それよりも生着して髪が生えてくる再生確率が問題だ。

マウス試験では発毛頻度74%と非常に高水準。

ヒトでは担当医師の力量にもよるが、この水準にいかに近づけられるかがカギになる。